太平洋戦争は、昭和18年に入ると連合軍の積極攻勢がはじまり、日本陸海軍は後退を強いられた。米太平洋艦隊はマーシャル、トラックへと勢力を伸ばす。昭和19年4月、7隻の空母で新しい機動部隊を打ち立てるという山口多聞の破天荒な構想が、遂に完成した。そして6月、雌雄を決すべくマリアナ沖海戦の火蓋が切られる。連合艦隊は空母雲龍、改装空母日向を失ったが、米艦隊を半身不随の状態に陥れ、かろうじて勝利を収めた。しかし、日本の勝利の時間は短かった。態勢を立て直した連合軍は侵攻作戦を再開し、8月にはニューギニアの北西ビアク島を制圧。日本軍は追い詰められつつあった……。
架空戦記『真・マリアナ決戦』の第2巻。完結編。
●中岡潤一郎(なかおか・じゅんいちろう)
1968年生まれ。獨協大学経済学部修士課程修了後、テクニカルライターに。1996年『決戦!津軽海戦 鋼鉄の嵐 維新篇』で商業デビュー。以降、架空戦記、時代小説を中心に執筆。近作に『同心若さま流星剣』シリーズ、『浪人上様織田信長』シリーズ(いずれもコスミック時代小説文庫)がある。競馬好き。関東圏の競馬場、特に中山競馬場、船橋競馬場によく出向く。