空母群が陣形を組んで室戸岬沖を疾駆する。山城、日向、金剛、榛名の4戦艦と最上、鈴谷、熊野の3重巡を一挙に改装し、7隻の空母で新しい機動部隊を打ち立てる。山口多聞の破天荒な構想が、遂に完成した……。昭和16年12月8日の真珠湾奇襲以降、日本軍の第一段作戦は見事に成功するが、翌年6月のミッドウェー海戦に敗北して以後、帝国海軍は防戦一方となった。昭和18年には連合軍の積極攻勢がはじまり、陸海軍は後退を強いられる。中部太平洋方面でもマーシャル、トラックと米太平洋艦隊は西へと勢力を伸ばす。そして、昭和19年6月、雌雄を決すべくマリアナ沖海戦の火蓋が切られた!
架空戦記『真・マリアナ決戦』の第1巻。電子版あとがきを追加収録。
●中岡潤一郎(なかおか・じゅんいちろう)
1968年生まれ。獨協大学経済学部修士課程修了後、テクニカルライターに。1996年『決戦!津軽海戦 鋼鉄の嵐 維新篇』で商業デビュー。以降、架空戦記、時代小説を中心に執筆。近作に『同心若さま流星剣』シリーズ、『浪人上様織田信長』シリーズ(いずれもコスミック時代小説文庫)がある。競馬好き。関東圏の競馬場、特に中山競馬場、船橋競馬場によく出向く。