【あらすじ】
「俺の親は鬼に食われた」----妖たちの世界を人気イラストレーター六七質が描く。人気和風ファンタジー待望の続刊!
南風月(はちがつ)下旬。
夏休みも終わりに近づいていたが、神社で助勤をしていた半妖の南条翔はヒトの世界に帰してもらえないまま、妖の世界に身を置いていた。
天之町内では『百鬼夜行』が頻発しており、ヒトや妖が無差別に襲われる事件が起きていた。
赤狐の比良利たちは百鬼夜行が発生した大元の原因を作ったのは『妖祓』ではないかと睨んでいたが、妖祓側は夏休み中行方不明になっている『南条翔』が騒動の鍵を握っているのではないかと考えて動き出していた。
妖とヒトの関係に亀裂が入る中、ついに妖祓が妖の縄張りを奪う策を講ずる。
里山に『あやし威し』の罠を張り、妖の捕縛や調伏を開始。
『あやし威し』の罠を張られ、妖たちは里山に出られなくなった。
ヒトに奪われる縄張りの様子を確かめることができず、焦る妖たち。
そこで人間に戻ることができる半妖の翔が名乗り出る。
人間の自分には妖祓の呪いが効かないから、罠を除去することができ、人里に隠れ棲む妖たちの様子も確認できると進言したのだ。
翔は人間の姿に戻り、里山奪還の方策を見つけるため、里山に下り立つ。
そして妖祓である和泉朔夜と再会するが、彼は行方不明になっている翔を心配して探し回る一方で、翔が妖の味方をしていると薄々気づいていた。
朔夜は、翔が百鬼夜行を扇動しているのではないかと激怒するも、翔の心には響かなかった。
翔は妖祓に対して疑心暗鬼になっていた。
六年前の両親の死について真実を隠されていたからだ。
両親は鬼に食い殺されたーー
その事実を朔夜は知っていて隠していた。
そして『黄貂の千早』から聞いたもう一つの真実、妖祓が『鬼を調伏するために南条家を利用した』ことに対して翔は憎しみと怒りを抱いていた。
朔夜と再会した翔は感情が爆発してしまい、ついに幼馴染の二人は対峙することになった。