この夏、京都は滅亡する。
いつもの京都、いつもの科学世紀、いつもの秘封倶楽部。けれど、二人が初めて迎える夏は、いつもとはかけ離れたものになった。 「これは現実? それとも、いつもの夢かしら」 「どちらにせよ、秘封倶楽部の活動に違いないわ」 人の姿が消え果てた京都。見たことのない星空。それはまるで、世界に二人きりになってしまったかのよう。臆することなく秘密を暴こうとする宇佐見蓮子。 けれど、マエリベリー・ハーンが胸に秘めた不安は膨れ上がる。 二人のすれ違いは、やがて決定的な破滅を京都にもたらすことになる。 「秘封倶楽部を、続けましょう」「秘封倶楽部を、終わらせるわよ」 奇妙な渾天儀がもたらすのは、はたして夢か現実か。宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーン。二人の少女の出逢いと、初めての異変を描いた劇場版、遂に公開。